Research list 研究一覧
- 岩崎宏次、高井秀明、大久保瞳、永野遼平
- 日本スポーツ心理学会第45回大会
本研究では,A大学に所属する体育専攻学生を対象に、ISS心理サポート申込書を参考にし、独自で作成した調査用紙を用いて、競技スポーツ場面における心理的問題・課題に関する実態およびメンタルトレーニングに対する認知度について把握することを目的とした。その結果、A大学に所属する体育専攻学生は競技レベルに関わらず、競技における心理的な問題・課題を抱えており、その問題・課題を対処できていないことが伺えた。心理的な問題・課題の対処ができていない要因の一つとして、これまでにメンタルトレーニングの経験がないことが考えられる。また,実力を発揮するために心理サポートは必要だと考えていることが示された。また,現在の問題・課題となっている内容(複数回答)について、国際大会レベル群のみ「だるさ・疲労感」や「競技生活での焦り」を多く回答していた。大して,全国大会レベル以下の群は、「試合での実力発揮」を多く回答していた。以上のことから、競技レベル特有の心理的な問題・課題が明らかとなり、特に国際大会レベルの選手には、目標とする大会や試合に向けてピークパフォーマンスを発揮するための心理的コンディションを考慮した心理サポートが必要であると考えられた。
- 髙橋由衣、高井秀明
- 日本スポーツ心理学会第45回大会
本研究では、大学生アスリートの自己複雑性が実力発揮に与える影響について検討した。調査対象者は、A大学体育専攻学生232名であった。その結果、否定的自己複雑性は実力発揮に有意な負の影響を与えた。また、クローズドスキルはオープンスキルより否定的自己複雑性から実力発揮への影響が大きいことが明らかになった。クローズドスキルは個人競技であるため、自己に注意が向きやすい。よって否定的な側面が増加すると、否定的な感情や認知に対して適応的に対処できなくなるため,実力発揮を阻害する要因になると考えられる。以上のことから、競技場面において否定的自己複雑性が高まることにより、不安や緊張が喚起され、実力発揮に負の影響を与えた。特に自己に注意が向きやすいクローズドスキルでは、否定的自己複雑性が実力発揮に影響を及ぼすことが明らかとなった。
- 柴原健太郎、相川 聖、藤本太陽、深見将志
- 日本体育学会 第70回大会 (慶應義塾大学)
本研究は、運動部活動に所属経験がある大学生を対象に競技での失敗に対する価値観尺度の作成を試みることを目的とした。調査は、運動部活動に所属経験ある大学生572名を対象に集団法による質問紙調査を行った。探索的因子分析を行った結果、「失敗からの学習可能性(α=.852)」「その後のプレーへの影響(α=.787)」「他者からの評価(α=.782)」「失敗のネガティブな感情価(α=.847)」「失敗回避欲求(α=.729)」の5因子25項目が抽出された。
- 所属先
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〒158-8508
東京都世田谷区深沢7-1-1
日本体育大学東京・世田谷キャンパス2415研究室 - 連絡先
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高井秀明(Takai Hideaki)
日本体育大学体育学部体育学科
TEL:(03)5706-0863
FAX:(03)5706-0863
E-mail:takai@nittai.ac.jp